DAY 22026年7月17日(木)

競合チェーン研究
— ワンルークの「3年で111店舗」が示す、この市場のFC化の窓

2日目は競合の解剖。宮脇さん指定のワンルーク・アイズドッグを深掘りし、大手(ペテモ/Coo&RIKU/ペットプラス)を含む競合マップを描く。結論から言うと、眉業界でSSINがやったこと(未経験オーナー×FCパッケージの高速展開)が、ペットホテル×トリミングで今まさに起きている。

今日の要点(TL;DR)

ワンルーク 店舗数(設立3年)
111店舗
2023年4月設立→2026年6月。国内108+海外3
ワンルーク ロイヤリティ
約20%/月商
モデルP/L: 月商199万に対し399,366円
アイズドッグ 加盟金
88万円
先着20店舗・保証金込。利益率50%訴求
ペテモ 小型犬カット価格
5.7–7.8千円
税込・会員は10%OFF。指名料1,100円

01競合マップ — 4つの業態類型

調査した競合は、ビジネスモデルで4類型に整理できる。

類型代表プレイヤートリミングの位置づけSSINから見た意味
① 生体販売併設型Coo&RIKU(228店)、ペットプラス(150店超)、ペテモ/イオンペットペットショップの付帯サービス。子犬販売→生涯顧客化の導線生体販売は参入しない前提なら直接競合ではない。ただし「販売時からの顧客囲い込み」は強力
② ホテル×トリミング特化FCワンルーク(111店)ホテルとトリミングの複合が本業。動物病院にも展開最も近い直接競合。SSINが検討する業態そのもので高速展開中
③ トリミング特化FCアイズドッグ(愛知中心)、Speedy-ONE等の中小FCトリミング単体+小規模ホテル地方発・小資本。ユニットエコノミクスの実例が学べる
④ 個人経営サロン市場の大多数(1人オーナートリマー型)自宅・小テナントで単独営業市場はまだ圧倒的にここ。チェーン化・DX化の余地=眉業界の2015年頃の景色
💡 壁打ちメモ — 市場構造の既視感 眉サロン業界も数年前は「個人店の海+美容室の付帯メニュー」だった。そこにSSINが「専門特化×FCパッケージ×採用力」で入って55加盟店まで来た。ペットのトリミング業界は現在まさにその配置:個人店の海(④)+ペットショップの付帯(①)に、専門特化FC(②③)が入り始めた局面。ただし眉と違って、②の椅子には既にワンルークが座っており、先行者不在の空白地帯ではない。

02ワンルーク(ONE LUKE)— 指定調査①:3年で111店舗の解剖

運営は日本ペットホテル協会株式会社(本社:名古屋市千種区、代表:鬼頭克明)。社名は協会風だが営利のFC本部。2023年4月設立→2024年4月に49拠点→2026年6月に111店舗と、月3〜4店ペースの出店が続く。2025年10月にフィリピン1号店、マレーシア・ベトナム・中国も準備中。

ワンルークの店舗数推移 — SSIN加盟展開との速度比較
単位:店舗。ワンルークは公表値(2024年は出店確定含む49拠点、2026年6月に111店舗)
出典:PR TIMES(日本ペットホテル協会株式会社リリース)、oneluke.net。SSINは自社実績(加盟55店・直営込み69店)

FCパッケージの中身

項目金額・条件コメント
加盟金110万円本部支払は計約363万円。別途、物件取得費・内装工事費(開業資金区分は301〜500万円)
研修費27.5万円
HP製作費44万円
市場調査費22万円
USENレジ導入費16.5万円
ONE LUKEパック(設備一式)143万円
モデルP/L(月)売上199万/経費84万/ロイヤリティ39.9万/営業利益75万ロイヤリティは月商の約20%相当と重い
投資回収目安1年6ヶ月契約期間10年
研修3日間座学1日+実店舗2日。オーナーは未経験前提、施術はトリマー雇用

強み・弱みの読み解き

観察された強み推定される弱み(攻め筋)
圧倒的な出店速度と「店舗数日本一」ブランディング。ホテル×トリミング複合で非施術時間も収益化。店舗設計〜IT集客〜運営まで本部一貫。動物病院への垂直展開も着手①ロイヤリティ約20%はFCオーナーの手残りを圧迫(SSIN加盟の設計次第で条件勝ちできる余地)②研修3日=サービス品質の統制が構造的に弱い ③急拡大FCの常として、採用・定着とオペ品質が先に破綻しやすい(眉業界で見てきたパターン)④各店の動物取扱責任者を確保できる前提の出店ペースが持続可能か不明
⚠️ 戦略上の含意 「ホテル×トリミングのFC」という座席は空いていない。後発で入るなら差別化軸が必須:(a) 品質・リピート特化(眉で実証済みの次回予約・回数券・カウンセリングの型+Kiwi)、(b) 採用力(ワンルークの弱点になりやすいトリマー確保をSSINの採用マーケで制する)、(c) オーナー経済性(ロイヤリティ20%より魅力的な設計)。逆に「速度で勝つ」戦いは分が悪い。

03アイズドッグ(I's Dog)— 指定調査②:小資本・高利益率型FCの実例

愛知県発のトリミングサロン(小牧・愛西など愛知中心+東武練馬・上板橋など関東にも展開)。トリミング+エステ+ペットホテルの構成で、FC加盟を積極募集中。公開されているFC訴求と数字は次の通り。

項目内容
加盟金88万円(先着20店舗限定・保証金込みキャンペーン)
訴求する収益性原価率5%・利益率50%・「年商4,000万円も目指せる」
月間運営費モデル家賃15万+光熱費5万+人件費(2名)50万+仕入原価3万+備品2万+広告5万=計80万円
売上モデルトリマー1人が1日4頭×単価9,000円→月約79.2万円/人(2名で約158万円)
ペットホテル少ない部屋数でも繁忙期は売上50万円超・稼働率100%と訴求
サポート技術・サービス・マネジメント研修+開業後の集客・求人支援。「未経験OK」

注目点は2つ。①売上モデルがDay1で押さえた相場(単価9,000円×4頭×22日)とほぼ一致しており、業界の「正直な」ユニットエコノミクスの再確認になる。②繁忙期のホテルが利益の振れ幅を埋める構造で、トリミング単体でなくホテル複合が業界のデファクトになりつつある。

一方で「利益率50%」は人件費50万に対し売上158万を前提とした好条件シナリオ(人件費率32%)。Day1で見た業界標準の人件費率40〜50%と比べると、トリマー2名がフル稼働で埋まる集客が達成できた場合の上振れ値と読むべき。

04大手チェーン概況 — 生体販売併設型の3社

チェーン規模モデルトリミング・ホテルの扱い
Coo&RIKUグループ228店舗・従業員2,826名(1999年創業・資本金1.8億円)生体販売が本業の全国最大級ペットショップトリミング・ホテル・動物病院を店舗に併設。多言語対応も推進
ペットプラス(AHB)全国150店舗超子犬・子猫専門ペットショップトリミングサロン併設を拡大、専用ブランド「PetPlusトリミングサロン」+ホテル
ペテモ(イオンペット)イオンモール内中心に全国展開イオングループの複合ペットサービス(物販・サロン・ホテル・病院)グルーミングサロンとして体系化。会員10%OFF・指名料制度あり=美容室型の運用

価格ベンチマーク(ペテモ料金表より・税込)

犬種シャンプー+カット(一般価格)会員価格(10%OFF)
チワワ(スムース)・ダックス(スムース)5,720円5,148円
マルチーズ・ヨーキー・ポメラニアン6,710円6,039円
シーズー・ペキニーズ7,260円6,534円
トイプードル(最多カット犬種)・柴犬・コーギー7,810円7,029円
大型犬(ゴールデンレトリバー)11,880円10,692円

指名料1,100円・会員割・毛玉追加料金など、運用ルールは美容業界とほぼ同型。ナショナルチェーンの最多価格帯が7,000円台後半なので、専門特化店が「品質×指名」で8,000円〜1万円台を取る余地は十分ある(世田谷1.4万円実例はその証左)。

05未解決の論点

ワンルークの実際の店舗品質・口コミはどうか?
急拡大FCの品質実態(Google口コミ・退店率)を確認したい。攻め筋(a)品質特化の妥当性検証になる。
ワンルーク・アイズドッグ加盟店の「動物取扱責任者」確保の実務は?
未経験オーナー3日研修で開業できている=責任者要件を雇用トリマーで満たしている可能性が高い。Day4の要件一次確認とセットで実務運用を解明する。
QUATTROほか未調査チェーンの位置づけ
今回は情報が薄く保留。必要なら口コミ・立地の面から後日補完。
SSINが取るなら②ホテル×トリミング複合か、③トリミング特化か?
業界の流れは複合型。物件要件・投資額が変わるためDay5のモデルで両方試算する。

06次回(Day 3)の壁打ちテーマ

07出典

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