DAY 32026年7月17日(木)
集客チャネル構造
— 「ペット版HPB」の覇者は不在。主戦場はGoogleマップ×Instagram×LINE
3日目は集客の解剖。眉サロン事業の集客はHPB(ホットペッパービューティー)という単一プラットフォームを軸に組み立ててきたが、ペット業界の集客構造はまったく違う地形だった。ワンルークの集客・口コミの実態も確認する。
今日の要点(TL;DR)
- ペット業界にHPBに相当する「支配的予約プラットフォーム」は存在しない。最大手ポータルはEPARKペットライフ(動物病院+トリミングサロンの検索・予約・口コミ・クーポン。EPARK全体で会員3,000万人超の基盤)だが、美容におけるHPBのような「そこに載せないと集客が始まらない」支配力はない。
- 特化ポータル(trimtrim等)は乱立状態で決定打なし。実際の主戦場はGoogleマップ(MEO)× Instagram × LINEの3点セット。業界の集客ノウハウ記事もほぼこの構成で書かれている。
- ワンルークの集客解剖:EPARKペットライフに掲載(豊田市駅店は口コミ101件・満足度5.0)+店舗別Instagram+預かり中にLINEで写真・動画を送るのが標準オペ。口コミ評価4.9を採用広告にまで使い回す「口コミ経営」型。
- 含意:プラットフォーム手数料に縛られない自前集客(MEO・SNS・LINE・自社予約)が組める事業者が構造的に有利。SSINのKiwi(LINE予約・配信基盤)と店舗SNS運用ノウハウがほぼそのまま武器になる。ただしワンルークも既にLINE巧者であり、「持っているだけ」では差にならない。
支配的プラットフォーム
不在
HPB相当の「必須ポータル」は存在しない
最大手ポータル(EPARK基盤)
3,000万人〜
EPARK全体の会員基盤(2020年時点公表値)
ワンルーク豊田市駅店 口コミ
101件
EPARKペットライフ上・満足度5.0
実際の主戦場
3チャネル
Googleマップ(MEO)/Instagram/LINE
01ポータルの勢力図 — HPBとの構造比較
美容業界とペット業界の集客インフラを並べると、構造の違いがはっきりする。
| 観点 | 美容業界(眉サロンの世界) | ペット業界(トリミング・ホテル) |
| 支配的ポータル | HPB一強。掲載順位=集客力で、掲載料が実質参入税 | 不在。EPARKペットライフが最大手だが浸透は部分的 |
| 主要ポータル | HPB、(遠く離れて)minimo・楽天ビューティ | EPARKペットライフ(病院+サロン・24時間ネット受付・口コミ・クーポン)、trimtrim(トリミング特化)ほか小規模多数 |
| 新規客の入口 | HPB検索→クーポン | Googleマップ検索(「地名+トリミング」)→口コミ・写真で比較、Instagramで仕上がり確認、というローカル検索行動が中心 |
| リピート導線 | HPB経由再来 or 自社化(Kiwi等) | LINE公式アカウントが事実上の標準(予約・預かり中の写真送付・次回案内) |
| 予約システム | サロンボード等ポータル付属が主流 | 分散(電話・LINE・各社予約システム)。予約DXは未成熟 |
重要なのは、ペット業界では「ポータルに払う税金」がまだ制度化されていないこと。裏返すと、ポータルが客を連れてきてくれる構造もないので、開業初期の集客は自力で立ち上げる必要がある。眉のように「HPBに載せて広告費を積めば初月から客が来る」という立ち上げ方は使えない。
02実際の主戦場 — MEO × Instagram × LINE
業界の集客ガイド(2026年版含む複数ソース)が説く定石は驚くほど一致している。
| チャネル | 役割 | ポイント |
| Googleビジネスプロフィール(MEO) | 新規客の最大の入口。「地名×トリミング」のローカル検索で上位表示 | 口コミ数と返信、施術写真の投稿頻度が順位に効く。飼い主は口コミを熟読して選ぶ |
| Instagram | 仕上がりの実力証明(ビフォーアフター・カットスタイル集) | 「センスより仕組み」=投稿テンプレ化・犬種ハッシュタグ・予約導線の設置が定石。眉サロンのSNS運用とほぼ同型 |
| LINE公式アカウント | リピート・預かり中コミュニケーション・次回予約 | 預かり中の写真・動画送付が満足度と口コミを生む。シナリオ配信・リッチメニュー活用はまだ少数派=Kiwiの型が刺さる余地 |
| ポータル(EPARK等) | 補助的な新規獲得+口コミの置き場 | ワンルークのように「口コミの見せ場」として使う運用が合理的 |
| チラシ・地域営業 | 開業時の商圏認知(半径1〜2km) | 動物病院・ペットショップとの相互紹介も古典的だが有効とされる |
💡 壁打ちメモ — 「HPB不在」は追い風か向かい風か
両面ある。向かい風:立ち上げ集客の即効薬がなく、MEO・SNSの仕込みに時間がかかる(開業3〜6ヶ月前からの育成が定石)。追い風:ポータル手数料が構造化されていないため、軌道に乗った後の利益率はHPB税を払う美容より良い。そしてSSINは眉で「HPB依存から自社集客(Kiwi・Instagram・MEO)への転換」を既に実践してきた。ペットでは最初からその「上がり」の形で始められる。
03ワンルークの集客・口コミ解剖
Day2の宿題だった品質実態を、公開情報の範囲で確認した。
- 口コミは高評価が並ぶ:EPARKペットライフ上のワンルーク豊田市駅店は口コミ101件・清潔感/雰囲気/満足度いずれも5.0。大阪布施店も「様子を動画で送ってくれて安心」と好意的。第三者ブログ(ペットシッター事業者Cosewa)も「LINEで様子送付・施設清潔」という利用者の声を紹介。
- LINEでの「預かり中実況」が体験の核:不安な飼い主に写真・動画を送る運用が口コミの源泉になっている。これはオペレーションとして標準化されている模様。
- 口コミを採用にも転用:求人広告で「口コミ評価4.9の人気店舗」を訴求。集客資産を採用ブランディングに回す設計。
- 留保:確認できたのは本部・ポータル経由の「見せたい口コミ」が中心。Googleマップの店舗別の生口コミ・低評価の分布までは未確認(現地視察・個店単位の確認はDay5以降の宿題)。急拡大チェーンの品質分散は依然として仮説のまま。
⚠️ Day2の攻め筋(a)「品質特化」への影響
「ワンルークは急拡大で品質が荒れているはず」という期待は、公開情報の範囲では裏付けられなかった。少なくとも顧客体験の見せ方(LINE実況・口コミ運用)は洗練されている。差別化軸としては、口コミの見た目では差がつきにくく、施術品質そのもの(トリミング技術・指名制)とリピート率の実数で勝つ設計に寄せるべき。
04SSINへの含意 — Kiwiスタックの転用設計
| SSINの既存能力 | ペット版への翻訳 | 優位性の評価 |
| Kiwi(LINE予約・リマインド・シナリオ配信・再来クーポン) | 予約+預かり中実況+来店周期(4〜8週)連動の自動再来配信+カルテ(犬種・カットスタイル・写真履歴) | ◎ 業界の予約DXは未成熟。周期連動配信までやれている競合はほぼいない |
| 店舗Instagram運用の型(投稿テンプレ・撮影標準) | ビフォーアフター・犬種別スタイル集に転用 | ○ 同型スキル。ただし競合も注力領域 |
| MEO・口コミ獲得オペ(来店時の口コミ依頼動線) | そのまま転用可 | ○ 眉で回している仕組みの横展開 |
| HPB広告運用 | 転用先なし(EPARK掲載は補助) | − この筋肉は使わない |
05未解決の論点
- Googleマップ上の店舗別「生」口コミの分布は?
- ワンルーク・アイズドッグの個店を数店サンプリングして低評価の内容を見る。現地視察と合わせて実施したい。
- EPARKペットライフの掲載費・送客力の実数は?
- 掲載プランと手数料体系は非公開部分が多い。出店判断の際に資料請求で確認。
- 開業前のMEO・SNS育成には何ヶ月必要か?
- 定石は開業3〜6ヶ月前から。出店スケジュールの逆算に組み込む必要がある。
06次回(Day 4)の壁打ちテーマ
- トリマー採用市場 — 給与相場・求人媒体の実力・専門学校からの供給・眉の採用マーケがどこまで通用するか
- 動物取扱責任者の要件を一次情報で確定(東京都の公式資料を入手済み→Day4で詳報)
07出典
- EPARKペットライフ(epark.jp/pet、petlife.asia)— サービス構成・掲載店口コミ
- e-xtreme社によるEPARKペットライフ代表インタビュー — EPARK会員3,000万人超(2020年8月時点)
- petlife.asia ワンルーク豊田市駅店・大阪府布施店 口コミページ
- Cosewa「ONE LUKEのペットホテルの口コミや評判は?」— 第三者による利用者評判まとめ
- en-gage ワンルーク求人ページ — 「口コミ評価4.9」採用訴求
- sistail「ペットサロン集客を増やす完全ガイド2026」、totoco「トリミングサロンのInstagram集客術」、cheriee・local-mp・linestep 各集客ガイド — MEO/Instagram/LINE定石
- trimtrim.jp — トリミング特化ポータルの存在確認(Day2でアイズドッグ掲載を確認)